[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。
明日は仕事です。
明後日はサンタさんがくれたクリスマスプレゼント~仕事です(笑
という訳でj本日が掃除&正月準備のメインとなっております。
これを書いたら買い出しに行ってきます。
雪がちらついているので、ホワイトクリスマスにはなりそうですが。ゆっくり休めるのはまだ先ですね。
そして、お力添えを頂きゲームブック修正しております。
少しでも楽しんで頂けたら何よりです。拍手もありがとうございます。
私信ですが、メールありがとうございました。
私も行けるものなら行きたいですよ~~~!!と出雲の地より叫んでおきますね。
お返事お待ち頂いて申し訳ありません。
なのに、こんな落書き(描きに非ず)書いてる私は一体…苦笑
スレを立てる時は、よくスペックを晒せとくる。それを踏まえると自己紹介はこうだろう。
10代女 フツメン オプション眼鏡 少々底意地悪し 学業成績良好
風はキーを打つ指を止め、首を傾ける。
(来年受験あり)とすべきか(繰り上がり)と書くべきか迷ったからだ。それはまま、風の迷いでもある。
通っているのは、そこそこ名の知れた幼等部から大学部まで一貫校だが、風の趣味であり将来の夢でもあるプログラマーとして勉強していくには、少々もの足りない環境なのも事実。だからと言って学校が嫌いな訳ではないので、専門校と併用していく方法も考えられる。
人生が大海原である人間に比べれば、三角波程度の些細な悩みかもしれないが、風にとっては一番の悩みでもあった。
ディスプレイに向かっていた顔を上げて、窓越しに外を眺める。
雪は降っていなかったけれど、校庭の広葉樹は全て葉を落とす寒い季節。おまけに定期試験が今週末に迫った日程では居残って部活をする生徒はほぼ皆無。
人のいない学校は余計に寒々とした感じを受けた。
それに拍車を掛けていたのは、気の早い(寒がりなのかもしれない)太陽が早々に姿を消そうとしいた事だろう。冴え冴えと澄んだ空気ごと空を真っ赤に染めていた。
校門が閉まるには暫く時間はあるけれど、下校いたしましょうか。
何を見るでもなくぼんやりと眺めていた風は、有り得ないものを見つけて一瞬目を瞬かせた。思わず掛けていた眼鏡を取って、もう一度掛け直す。
それでも、目の前の光景は変わらなかった。
夕焼けに染まった空から何かが堕ちていた。
それは人影によく似ていて、ヒラヒラしているところなどは風に煽られたゴミ袋にも見えたけれど、やはり人の形のような気がした。
風はガタンと大きな音を立てて椅子から身体を起こし、パソコンの電源を落としながら片手でノートを鞄に詰め込むと、コートを斜めに羽織り教室を飛び出した。
クラスメイト達には物静かだと思われがちだが、意外に好奇心は旺盛な方だ。
見失わないように廊下の窓から外を確認しつつ、下駄箱へと走り込む。
靴を履き替えるのももどかしいと感じるじれったさは、職員室に残った先生が掛けて来た声にも軽い会釈で通り過ぎた。
職員室の窓からも先程の影が見えてはいるのに、先生は誰ひとり気がついた様子はない。声を掛けようかとも思ったが、影が随分下がって来ているのに気付いて止めた。忙しげに走り去る自分の姿に、先生の目も丸い。
明日は何らかの問い掛けをなさるのだろうと思いながら、風は脚を早めた。
◆ ◆ ◆
校庭の奥。大学へと続く道の先にはまるで森のような公園がある。影はそこに近付いていた。
見る間に公園の中にある古い物置の上だけれど、明らかに落下速度がおかしい。
長い布(尻尾?)はふわりと揺れて、慣性の法則だとか物理的なものが色々置き去りにされている。
相変わらず夕日に照らされて、物体は黒い影としか風の目には見ることが出来ない。僅かに身体から光が見えるような気がした。
まるで、魔法。
風は思わず息を飲む。
思ってもいなかった、非現実が目の前で展開されている。それだけは確かだった。
けれど、いきなり灯りが消えるように輝きを失ったかと思うと空から振ってきたモノはそれまでの浮力を全て失ったように、引力に掴まった。
幻想は、躊躇いもなく屋根へと落下した。
廃屋の屋根を突き破ったのだろう嫌な轟音が響き、風は両耳を塞いで目を閉じる。
崩れた家屋からは埃が舞い上がり周囲に散った。粉塵がコントの一場面にも似て、妙に派手だ。
「これは、酷いですわね。」
ゲホゲホと咳き込むものの、何の騒ぎにもならないのは木々に覆われた場所だからだろうか。吹きすさぶ風に飛ばされて、物置が潰れている以外は何事もなかったように静まりかえっている。
「失礼致します。」
一応ことわってから、瓦礫の中に脚を踏み入れる。天井にポッカリと空いた穴が照らすダンボールだの、掃除用具の隙間に脚らしきものが見えた。
「あら、あら…。」
眼鏡をキラリと輝かせて、風は慎重に距離を縮める。
身体全体を投げ出しているのは、やはり人間のように見える。白い衣装は埃にまみれているが、外傷は見当たらない。手袋とかブーツとか全身を覆っている衣装のせいだろう。
ヒラヒラして見えていたのは、背中に背負ったマント。それでも某漫画のように、グライダーになることも無く、瓦礫のなかでグシャグシャになっていた。
それにしても屋根を踏み抜いた挙げ句に気絶とは、随分と情けないというか可哀想と言うか…。イケメン(のように見える)だけにコメントは差し控えてあげるのが心遣いだろう。
翠色の髪、彫りの深い顔立ち。鼻の上についた傷跡がひときわ目を引く。
先程ついたものではない証拠に、素肌に出来た擦り傷は血を滲ませているけれど、それは乾いていた。
じっと見つめていればいるほど、風はそれ以外のものに見えてこず、少々困る。
羽根もなければ、尻尾もない。全身が毛むくじゃらでもなければ、手足が豊富にある訳でもなく。
(人間ですわね。)
目を伏せて、風は息を吐いた。
空から人が降ってくるのも、なかなかに刺激的な出来事ではあったが、折角なので普段見れないものが良かったですわ。
失礼とも思える結論に達した風の頬に、ぺたりと冷たいものが貼り付く。じんわりと溶ける感覚に雪だと分かった。
目の前で眠っている人間の頬にも次々と降りかかるのを見て、風は頬に指先を当てて小首を傾げた。雪の刺激で目を開けないと言うことは簡単に目覚めないという証しだろう。
「…放置しておけば間違いなく凍死なさいますわね。」
仕方ないですわと呟くと、風はタクシーを呼び止めるべく立ち上がった。
…続くかどうかは謎ですが、イワユルらぴゅたのパロです。(恐らく悪役はイーグル♪)
風ちゃんがふんわり落ちてくるのを受け止めるのは是非本編でやってみたいので、今回は奴を落してみました。
屋根をぶち破るとなお良しとの助言を頂いたので『承知しました』的にやりました。ごめんね、楽しかったです。