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2025/04
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夏真っ盛りとなってまいりました。
一年のうち最も苦手な季節かもしれません(嫌いでは無いのですが、如何せん体力がない)
それでも、一番きらきらしてる季節ですよね。
何もかもが眩しいな、

色々と思うところも多くて、考えさせられる夏といったところでしょうか。
年月ってすごいなと思っているところです。


そうそう近況といたしましては
ちょこちょこ、隙を見計らってレイアに追記しております。
(あまりに微量なので履歴出すほどでもないです、とほほ)



それと、まあせっかく起動してるんだからと光ちゃん生誕書いてみましたが、案の定、まんまと書きかけです。最後までかけたら小説へ移せたらいいな…。






「私は一体誰なんだ?」

 扉を開けた途端に繰り出された台詞に海は言葉を失った。
出会いが出会いで、常識的では無いものだったが、それ以上に獅子堂光という少女には驚かされてばかりだ。
 自分の知る世界に住んでいたにも関わらず、何処か浮世離れした親友は(もうひとりも中々のものだけれど)、まるでこの異世界セフィーロに生まれた時から住んでいたかのように馴染んだ。
 そこからもたらされた物語は決して甘いものでは無かったけれど、彼女はその驚くべき資質を持って、この世界を立て直してしまったのだ。
 なので、多少のドッキリには耐性があるつもりだった。けれど。これはなんだろう。
4月1日はとっくに過ぎた。妙なテレビ番組のスタッフが隠れている様子もない。
 
「光、あなた何言ってるの?」
「ひかる…?私は、ひかるという名前なのか?」
「正確には(しどうひかる)よ。ちょっと、どうしちゃったの?熱でもあるの?」
 思わず光の額に手を伸ばすと、びくりと身体を震わせて避けた。
「え…?」
 宙を彷徨う指先が、海の心そのままだ。
 怯えた表情を見せる光に海も言葉が続かない。そうして起きた沈黙を破ったのは、もうひとりの友人だった。
「どうなさったのですか?」
 半開きになっていた扉を押し広げ顔をのぞかせた風は、一瞬でふたりの様子がおかしいことに気付いた様子だった。
「何かあったのですね?」
 疑問ではない問いかけに光と海はコクリと頷いた。
そうして、光は両手を胸元で組み祈りを捧げるようすで唇を引き締める。
「光が、自分は一体誰なんだ、なんていきなり言い出して、私のことも知らない人みたいに…!」
 驚きのあまり、言葉が荒くなる海を口元に指を置くことで止め、風は光にここりと微笑む。
幼い子供にするように膝を曲げると俯く光と視線を合わせた。
「ご自分がお分かりにならないなんて大変ですわ。では、此処がどこかはお分かりになりますか?」
「ううん。どこかの建物の中だよね?」
「ええ、そうですわ。セフィーロ城というお城の中にある客室です。」
「客室…じゃあ、此処は私が住んでいる場所ではないんだ。
 あの、私目が覚めたらここのベッドにいて、最初はどこなんだろうと思って、それから私は誰なのかわからない事に気が付いて、それで…「大丈夫ですわ」。」
 たどたどしく言葉を続ける光を遮り、風は微笑んだ。
「わからないことだらけで不安でしょうけれど、こうしてお話することが出来ますわ。
 どこか痛いところや、苦しいところがおありではないでしょうか?」
 光は一瞬視線を彷徨わせてからお腹の上に掌を置いた。


「ここが切ない、かも…。」


 それを見た海が大きな溜息を吐く。光の手を引いて部屋から連れ出した。
「あ、あの「いいから黙ってついてきて。
 こんな遅くなっても姿を見せないんだもの、当然よね。」」 
 寄り添うように歩き出した風に視線を向ければ、ふふっと笑う。
「先に朝食にいたしましょう。続きはそれからですわ。」
 朝食、その言葉を呟いた途端、光のお腹が控えめにグウと鳴った。

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